リュウキュウコオロギバチ
コオロギバチの多くは1cm前後で黒っぽいものが多いが、
体長2cm前後で、金色がかった微毛に覆われた美しい蜂。
既存抗を利用して営巣し、クチキコオロギを狩る。
年に複数回発生すると思われ、成虫態で越冬する。
四国・九州や南西諸島に分布する。 |
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クチキコオロギの幼虫を狩ったところ。
2005年10月下旬、佐賀市大和町の丘陵地で。 |
触覚をくわえて飛ぶ。
えものが大きいので、低空を短距離しかとべない。 |
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運搬の途中で、前肢の根元を、大顎でかみほぐすようにマッサージする。 |
竹やぶの枯れ枝を登る。
高いところに登り、滑空しながらえものを運搬する。
撮影する私にも何度も登ってきた。 |
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石垣の営巣地にコオロギを運んでくる。
やはりクチキコオロギの幼虫。
このコオロギを嗜好することはある程度確かなようだ。
2007年11月上旬、佐賀市 大和町。 |
石垣の隙間の中で、営巣場所の巣抗(既存抗)を見つけた蜂。
定位飛行を行い、狩りに出かける前。
8の字を描きながら、営巣場所から遠ざかる。
その間、他の隙間も確認しつつ、段々遠ざかっては、戻り、その距離を伸ばしていく。
数m遠ざかっても、また戻り、かなりの時間を費やす。
下の写真は、1時間半後に獲物を捕らえ、帰巣したもの。 |
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石垣の隙間に獲物を搬入する。
隙間に堆積した土の既存抗に営巣していると思われる。 |
クチキコオロギの雄の成虫を狩ってきた。 |
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獲物の搬入後、しばらくして狩に出かける。 |
シロスジフデアシハナバチの巣抗に進入する。
営巣場所に決めたようだ。
この日は夕刻がせまり、気温が下がってきたので、出てこなかった。
2007年11月上旬、佐賀市 大和町。 |
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シロスジフデアシハナバチの古巣の穴から出てきて、狩りに出かける。
初めての出発の際は執拗に定位飛行を行う。
類似する、場所や穴などを確認しつつ、離れては戻る行動を繰り返し、段々と遠ざかり、ついには飛び去る。
2007年11月下旬、佐賀市 大和町。 |
手ぶらで帰巣する。
しばしばこの様なシーンが見られる。
思うように獲物が見つからない場合は、2−3度手ぶらで戻ることがあるようだ。 |
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コオロギを狩り、約50分後に帰巣。
ただ、この8分前に手ぶらで帰巣しており、短時間で獲物を見つけたようだ。
小型だが、クチキコオロギの幼虫のようだ。 |
巣抗に搬入する。
この日はこの一回の狩りだけだったようだ。 |
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ミカンの葉についたカイガラムシの甘露をなめる。
2009年11月中旬、佐賀市大和町。 |
春にも活動する。
山道脇の落ち葉の上を飛び回る。
2008年5月上旬、佐賀市大和町。 |
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5月上旬、クチキコオロギの小型の幼虫を狩り、巣に運ぶ。
上旬、佐賀市大和町。 |
木の花の蜜を吸う。
コオロギバチの多くはむしろ昆虫の甘露や、植物の蜜腺で栄養補給していることが多いようだ。
せいぜいヤブガラシやノブドウを訪花する程度だが、晩秋のこの時期ではこういう花くらいしかない。
2012年11月中旬。 |
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早春に現れ、陽だまりで休む雄。
シロスジフデアシハナバチの大規模な営巣地として、晩秋まで賑わった空き地だが、その巣を利用して営巣していたのか。
2007年4月中旬、佐賀市大和町。 |
みかん畑の落ち葉の上で陽にあたる雌。
次の年の春に営巣する世代と思われる。
2016年12月中旬、佐賀市大和町。 |
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葉の上で休む雄。
雌雄とも越冬後に成熟するのは他のコオロギバチと同じようだ。
2016年12月中旬、佐賀市大和町。 |
雄は雌と共に越冬し、営巣期前に生殖活動をする。
大木の根元や切株等、前年に営巣していたと思われる場所で、陽の当たるところを徘徊する。
2017年5月中旬、佐賀県唐津市。 |
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撮影のチャンスを得るため、獲物を搬入を少し邪魔してみた。
コオロギが抵抗したと思ったのか、麻酔行動を起こした。
ナミコオロギの狩りの時見たのと同じ様に肢の付け根や、首の下を入念に刺した。
先に見えるのが、営巣中の既存坑。
2017年5月中旬、佐賀県唐津市。 |
石の隙間や地面に開いた既存坑に数頭が営巣していた。
林の地面の落ち葉の隙間に獲物を搬入する。
2017年5月中旬、佐賀県唐津市。 |
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この蜂の夏の発生を示唆する画像は見たことがあるが、実際に確認できた。
営巣地の石の上を飛び回る雄。
2017年7月中旬、佐賀県唐津市。 |
神社の森の落ち葉の下に営巣する。
クチキコオロギの幼虫を運び込む。
飛んで素早く営巣場所に消えた。
2018年10月中旬、佐賀兼唐津市。 |
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