アルマンアナバチ
ツツアナバチ属に属する蜂で、山地性。
地上既存抗に営巣し、キリギリスの仲間を狩る。
一つの巣に一つの育房しか用意せず、複数産卵する。
山中の木に仕掛けた竹筒トラップに営巣する。
営巣活動の合間に、巣の様子を見に帰ってくる。
ブ、ブ、ブという独特の断続的な羽音を立てる。
2007年7月下旬、佐賀市富士町市川で。
コケをくわえて帰巣する。
巣を一時閉鎖するための隔壁用の巣材だ。
コクロアナバチなどとは違い、巣の入り口から数センチ詰め込み、あとは獲物を搬入するだけ。
育房は複数の子供のために、ただひとつ用意する。
巣のすぐそばの、山道脇にある大岩で、コケを採取する。 コケを切り取り、飛び立とうとする。
2008年7月下旬、佐賀市富士町市川。
巣材のコケを採る。
こちらは半日陰地の低い位置に生えたコケを採取する。
完全に切り取る瞬間より早く翅を震わせて飛び立とうと準備する。
2009年7月中旬、佐賀市富士町市川。
完全に餌を貯蔵し終わる前でも、狩りの合間に巣材を搬入する。
随時巣材を補充する様だが、目的やタイミングはわからない。
2009年7月下旬。
獲物を搬入する。
獲物はササキリモドキで、コクロアナバチの様に触角は切り取らない。
2014年7月下旬、佐賀市富士町市川。
かなり素早く巣内に飛び込む。
入口から数センチのところまで詰められたコケの仮閉鎖を解き奥の育房に運び込む。
巣穴1つに育房は常に1つで、初めの方に搬入された複数の獲物に1つずつ産卵する。
2009年8月下旬、佐賀市富士町市川。
再び狩りに出かける。
奥に詰められたコケが見える。
2009年7月下旬。
全ての獲物の貯蔵を終え、巣の入り口を完全に閉鎖する。
最後に詰める巣材はコケ以外も使用する。
2009年8月下旬。
かなり念いりに奥まで押し込んで、固く詰め込む。 完成した巣。
植物の根を多数詰め込んでいる。
巣の内部。
奥のわずか5センチほどのスペースが育房として使われており、コケが10センチほど詰め込まれている。
2009年8月下旬。
育房内。
幼虫が3匹一緒に成長している。
営巣初期の巣の内部。
仮閉鎖のコケの量は、完成時の半分に満たない。
獲物搬入の合間に補充していく。
2010年7月下旬、佐賀市富士町市川。
獲物5頭を拡大した写真。
5頭全てに卵が産み付けられている。
共食いすることもなく成長し、繭を紡いだ。
2010年8月下旬、佐賀市富士町市川。
一か所に複数の雌が営巣している。
2014年8月中旬、佐賀市富士町市川。
ササキリモドキの一種の雄を搬入する。
巣内の獲物や搬入を観察していると、圧倒的に雌の獲物が多い様に思うが、雄を狩らないわけではなさそうだ。
2014年7月下旬、佐賀市富士町市川。
巣の入り口近くに獲物を置いて巣内奥に入る。
再び頭から出てきて獲物を引きこむ。
蜂の触角が見える。
2011年7月下旬、佐賀市富士町市川。
産卵と獲物の搬入を終え、巣をふさぐ。
枯れた草の根を搬入する。
2011年8月上旬、佐賀市富士町市川。
同じく巣の閉鎖のための巣材を運んでくるが、仕上げにもコケを使う。
いずれの場合も獲物を搬入している期間は隔壁はコケだけを使う。
2014年7月下旬、佐賀市富士町市川。
雌より一足早く雄が発生し、営巣地を飛び交う。
羽化前の巣を窺ったりして10頭余りの雄が群れ飛んでいた。
2015年7月中旬、佐賀市富士町市川。
雌の匂いに反応する様だ。
落下した地上の巣材にも興味を示す。